2015年03月26日
Navy SEALs 使用 スナイパーライフルの考察 ③
皆様こんにちは
前々回より引き続きNavy SEALs が使用するスナイパーライフルについて考察してみたいと思います。
・前回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフルの考察 ②」へ
・前々回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフルの考察 ①」へ
☆アメリカ合衆国軍(ブログの指針説明へ)☆←読んで下さると嬉しいです。
前々回より引き続きNavy SEALs が使用するスナイパーライフルについて考察してみたいと思います。
・前回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフルの考察 ②」へ
・前々回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフルの考察 ①」へ
☆アメリカ合衆国軍(ブログの指針説明へ)☆←読んで下さると嬉しいです。
アメリカ軍がまだセミオート狙撃銃に関心が無かった1980年代、アメリカの特殊部隊が大口径スナイパーライフルを各メーカから探し当時注目していたとされるのがマクミランM88で、1989年のパナマ侵攻時にも使用されていました。
「McMillan M88」
使用する弾は12.7x99mmの50口径(.50BMG)で「M87」へ5発入りマガジンを使用出来るように改良された「M87R」を、単発使用にしたのが「M88」です。
・.50BMG = .50 Browning Machine Gun
「M88の独特な装填の仕方」
「イラク戦争中に船上から商業用ボートを護衛?監視?するSEALs隊員とM88」
他、1983年頃に米軍によって少数だけ購入されたResearch Armament Industries社の 「RAI M500」
生産時期は1982年~1984年
会社は旧:RAP(Research Armament Prototypes)で後にRAI(Research Armament Industries)となり、その後Daisyが買取り Daisy Defence Systemsとなりますが、最終的にはIver Johnsonにより買収されました。
「RAI M500」
・RAI = Research Armament Industries
12.7x99mm NATO弾(.50口径)使用で装弾数は1発
おそらくは「ベイルート」、「グレナダ」、「パナマ」、「イラク」へ配備されたらしいですが、合計125丁程しか配備されなかったそうです。
M500自体は1981~1982年の間、長距離狙撃銃としてアメリカ軍の要請で開発された「M300」から発展したライフルで、こちらも125丁配備されたそうです
「RAI M300」
こちらは小口径モデルで、今まで猟銃やスポーツライフルを改修してきたライフルとは違い、軍用として一から開発された始めてのライフルだそうです。
カートリッジは「7.62ミリメートルNATO(.308Win)」と「8.58x71mm(0.338~0.416)」の2種類を使用する事が出来ます
「全体的なモデル」
「M500を使用するSEALs チーム7 (年代不明)」
その後1990年代に湾岸戦争が始まると特殊部隊や海兵隊へ「M82A1」をバレット・ファイアーアームズ社より購入し、試験的に運用が始まりました。
実際は1982年に「M82」として開発されており、 1986年にM82A1と名称を改定し軍用スナイパーライフルとして販売を開始しています。
・「米軍バレットM82の考察」について←M82について少し考察しておりますので、宜しければどうぞ
ですがSEALsは「M82A1」を狙撃ライフルとして運用するのにのは精度が高くない事を不満に思ったそうです。
元々「M82A1」はヘリや装甲車などの兵器を破壊する目的で作られた物だったのが、現代兵器の装甲に歯が立たなくなってきた為に砂漠での遠距離狙撃や壁向こうの敵を排除する目的に急遽使用されたアンチマテリアルライフル(対物ライフル)で、狙撃に適した精度は持ち合わせていませんでした。
2002年1月カンダハール国際空港にて「不朽の自由作戦」支援の為、海兵隊のKC-130に乗り込む前のSEALs隊員とバレットM82A1
一応過去SEALsでも「M82」を使用したそうですが、基本SEALsは「デカくて重たい銃は嫌い」らしくあまり使用しなかったそうで
「もし最近でもM82を使用している様子がSEALsであったとしたら、商用利用が目的でワザと使用しているだけ」
って、何かの記事でM82についてSEALsの隊員が言っていたのを記憶しているのですが、情報の出所が曖昧ですので信じるも信じないもお任せ致します。
その後M82に不満を持ったSEALsの為に、2002年頃カナダのマクミランより購入したのが「TAC-50」です。
「MK15 MOD0 SASR」 (McMillan TAC-50)
・SASR = special applications sniper rifle
「M82」と同じ.50口径のライフルですが「M82」が約1.5MOA の精度なのに対し、カナダ軍がLRSWとして開発した「TAC50」は約0.5MOA の精度があります
・ LRSW = Long Range Sniper Weapon (長距離狙撃銃)
アメリカのMcMillan Brothers Rifle Companyが開発した単発ボルトアクション式対物ライフル(アンチマテリアルライフル)である「TAC-50」
カナダ軍ではLRSW(Long Range Sniper Weapon)として「C15」との名称で採用され、アメリカ軍のSEALsでは海軍表記である「Mk.15」という名称で採用しています。
「海軍」
「Mk」=Mark 「MOD」=Modification(修正or変更)
※例外では海軍が先に採用した武器が陸軍に流れて来た時は「Mk」の名称のまま使用したりします。
12.7mm×99mm(.50口径)使用で、装弾数は5発
有効射程距離は約1800メートル(1970ヤード)
2002年にアフガニスタンのタリバン掃討作戦にてカナダ軍のロブ・ファーロング兵長が.50BMG弾を使用する「TAC-50」で7972フィート(約2430m)の狙撃を成功しています。
※現在は2009年11月にイギリス軍王室騎兵隊の狙撃手であるクレイグ・ハリソン軍曹の狙撃で8120フィート(約2474m)
アンチマテリアルの特徴でもある、反動軽減用の大型マズルブレーキも然る事ながら、TAC-50にて特筆する点はやはりストックでしょうか?
画像は最新型であるR2ですが、、取り外しが可能なバッドストック使用に「油圧式ダンピングシステム」と呼ばれる機構となっており、A1の時に比べて約90%の反動を軽減させることに成功しているそうです。
「2003年撮影のSEALsより」
2005年に公開されたSEALsの銃器より「Mk15」
「SEALスナイパーとMK15」
海軍特殊戦施設のツアー中にメジャーリーグの野球選手「アルバート·プホルス」と「ライアン·フランクリン」へMk 15の詳細を説明している画像
今日はここまで
・前回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフルの考察 ②」へ
「McMillan M88」
使用する弾は12.7x99mmの50口径(.50BMG)で「M87」へ5発入りマガジンを使用出来るように改良された「M87R」を、単発使用にしたのが「M88」です。
・.50BMG = .50 Browning Machine Gun
「M88の独特な装填の仕方」
「イラク戦争中に船上から商業用ボートを護衛?監視?するSEALs隊員とM88」
他、1983年頃に米軍によって少数だけ購入されたResearch Armament Industries社の 「RAI M500」
生産時期は1982年~1984年
会社は旧:RAP(Research Armament Prototypes)で後にRAI(Research Armament Industries)となり、その後Daisyが買取り Daisy Defence Systemsとなりますが、最終的にはIver Johnsonにより買収されました。
「RAI M500」
・RAI = Research Armament Industries
12.7x99mm NATO弾(.50口径)使用で装弾数は1発
おそらくは「ベイルート」、「グレナダ」、「パナマ」、「イラク」へ配備されたらしいですが、合計125丁程しか配備されなかったそうです。
M500自体は1981~1982年の間、長距離狙撃銃としてアメリカ軍の要請で開発された「M300」から発展したライフルで、こちらも125丁配備されたそうです
「RAI M300」
こちらは小口径モデルで、今まで猟銃やスポーツライフルを改修してきたライフルとは違い、軍用として一から開発された始めてのライフルだそうです。
カートリッジは「7.62ミリメートルNATO(.308Win)」と「8.58x71mm(0.338~0.416)」の2種類を使用する事が出来ます
「全体的なモデル」
「M500を使用するSEALs チーム7 (年代不明)」
その後1990年代に湾岸戦争が始まると特殊部隊や海兵隊へ「M82A1」をバレット・ファイアーアームズ社より購入し、試験的に運用が始まりました。
実際は1982年に「M82」として開発されており、 1986年にM82A1と名称を改定し軍用スナイパーライフルとして販売を開始しています。
・「米軍バレットM82の考察」について←M82について少し考察しておりますので、宜しければどうぞ
ですがSEALsは「M82A1」を狙撃ライフルとして運用するのにのは精度が高くない事を不満に思ったそうです。
元々「M82A1」はヘリや装甲車などの兵器を破壊する目的で作られた物だったのが、現代兵器の装甲に歯が立たなくなってきた為に砂漠での遠距離狙撃や壁向こうの敵を排除する目的に急遽使用されたアンチマテリアルライフル(対物ライフル)で、狙撃に適した精度は持ち合わせていませんでした。
2002年1月カンダハール国際空港にて「不朽の自由作戦」支援の為、海兵隊のKC-130に乗り込む前のSEALs隊員とバレットM82A1
一応過去SEALsでも「M82」を使用したそうですが、基本SEALsは「デカくて重たい銃は嫌い」らしくあまり使用しなかったそうで
「もし最近でもM82を使用している様子がSEALsであったとしたら、商用利用が目的でワザと使用しているだけ」
って、何かの記事でM82についてSEALsの隊員が言っていたのを記憶しているのですが、情報の出所が曖昧ですので信じるも信じないもお任せ致します。
その後M82に不満を持ったSEALsの為に、2002年頃カナダのマクミランより購入したのが「TAC-50」です。
「MK15 MOD0 SASR」 (McMillan TAC-50)
・SASR = special applications sniper rifle
「M82」と同じ.50口径のライフルですが「M82」が約1.5MOA の精度なのに対し、カナダ軍がLRSWとして開発した「TAC50」は約0.5MOA の精度があります
・ LRSW = Long Range Sniper Weapon (長距離狙撃銃)
アメリカのMcMillan Brothers Rifle Companyが開発した単発ボルトアクション式対物ライフル(アンチマテリアルライフル)である「TAC-50」
カナダ軍ではLRSW(Long Range Sniper Weapon)として「C15」との名称で採用され、アメリカ軍のSEALsでは海軍表記である「Mk.15」という名称で採用しています。
「海軍」
「Mk」=Mark 「MOD」=Modification(修正or変更)
※例外では海軍が先に採用した武器が陸軍に流れて来た時は「Mk」の名称のまま使用したりします。
12.7mm×99mm(.50口径)使用で、装弾数は5発
有効射程距離は約1800メートル(1970ヤード)
2002年にアフガニスタンのタリバン掃討作戦にてカナダ軍のロブ・ファーロング兵長が.50BMG弾を使用する「TAC-50」で7972フィート(約2430m)の狙撃を成功しています。
※現在は2009年11月にイギリス軍王室騎兵隊の狙撃手であるクレイグ・ハリソン軍曹の狙撃で8120フィート(約2474m)
アンチマテリアルの特徴でもある、反動軽減用の大型マズルブレーキも然る事ながら、TAC-50にて特筆する点はやはりストックでしょうか?
画像は最新型であるR2ですが、、取り外しが可能なバッドストック使用に「油圧式ダンピングシステム」と呼ばれる機構となっており、A1の時に比べて約90%の反動を軽減させることに成功しているそうです。
「2003年撮影のSEALsより」
2005年に公開されたSEALsの銃器より「Mk15」
「SEALスナイパーとMK15」
海軍特殊戦施設のツアー中にメジャーリーグの野球選手「アルバート·プホルス」と「ライアン·フランクリン」へMk 15の詳細を説明している画像
今日はここまで
・前回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフルの考察 ②」へ
Posted by ロマン at 22:25
│■Navy SEALs (ネイビーシールズ)│銃器
この記事へのコメント
ロマンさん、こんにちわ
やっぱり対物・長距離狙撃系のライフルはでかいですね。
こういうライフルのエアソフト化がされなくて残念。(あっても値段が10万越えとかざらですけど。)
以前シャイアン・タクティカルが独自の.480チェイタック弾を使うM200狙撃銃を米特殊部隊に売り込んだみたいですが、あれは見事にこけましたね。
噂では隊員数名が現在も使用していると聞きましたが、SEALやグリンベレーで使用する隊員はいるのでしょうか?
やっぱり対物・長距離狙撃系のライフルはでかいですね。
こういうライフルのエアソフト化がされなくて残念。(あっても値段が10万越えとかざらですけど。)
以前シャイアン・タクティカルが独自の.480チェイタック弾を使うM200狙撃銃を米特殊部隊に売り込んだみたいですが、あれは見事にこけましたね。
噂では隊員数名が現在も使用していると聞きましたが、SEALやグリンベレーで使用する隊員はいるのでしょうか?
Posted by 海より陸(軍)派 at 2015年03月30日 15:27
海より陸(軍)派様
コメントありがとう御座います
m(_ _)m
対物ライフルって所持した事無いんですが、置き場所や持ち運びが大変そうですよね・・・
M200の情報ありがとう御座います
M200って映画の「ザ・シューター」で使用していたイメージしかありませんでしたw
情報ですと「.408 Chey-Tac弾」がChey-Tac社の独自規格で入手が限られるのと、製法自体が非常に特殊な為大量生産出来ないそうです。
さらにコンピュータ制御式のライフルの為非常に高価で、アメリカ軍は既に採用しているバレットやAW50の他に.338 Lapua Magnumを使用するM24A3やL115A1などで賄えるとして、新しく採用する必要も無いと見ているそうです。
その為殆どテストで使用したレベルなんでしょうかね?
コメントありがとう御座います
m(_ _)m
対物ライフルって所持した事無いんですが、置き場所や持ち運びが大変そうですよね・・・
M200の情報ありがとう御座います
M200って映画の「ザ・シューター」で使用していたイメージしかありませんでしたw
情報ですと「.408 Chey-Tac弾」がChey-Tac社の独自規格で入手が限られるのと、製法自体が非常に特殊な為大量生産出来ないそうです。
さらにコンピュータ制御式のライフルの為非常に高価で、アメリカ軍は既に採用しているバレットやAW50の他に.338 Lapua Magnumを使用するM24A3やL115A1などで賄えるとして、新しく採用する必要も無いと見ているそうです。
その為殆どテストで使用したレベルなんでしょうかね?
Posted by ロマン at 2015年03月31日 18:49