2015年07月04日

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

皆様こんにちは


前回に続きNavy SEALs が使用する武器について考察してみたいと思います。




・前回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑫ (ショットガン編)」へ



・初回「Navy SEALs 使用武器の考察 ①」へ



・別回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフル編 ①」へ



☆アメリカ合衆国軍(ブログの指針説明へ)☆←読んで下さると嬉しいです。




画像は映画「ネイビー・シールズ」(Act of Valor)より

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)




Colt社 「M1911A1」

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

1926年に米軍がM1911を改良したM1911A1を正式採用しましたが、SEALsの創設が1962年ですのでベトナム戦争に始まりSEALsがM9採用によって一悶着起こす1987年頃までの約25年間使用され続けたと思われます




事件についてはこちらへどうぞ→リンク「アメリカ軍サイドアームの考察 ①」へ








SEALsがSIG P226採用後にM1911系使用の有名な例ですと(故)「クリス・カイル」氏が2004年に9mmのストッピングパワーに不満があったそうで、個人的に持ち込んだスプリングフィールド社のTRPオペレーターを使用していたそうです

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

TRPの詳細は不明

手榴弾によって壊れてからはP220を使用したそうです

理由は不明ですが、普通に修理も出来たそうですがそれ以降は使用しなかったそうな

この辺りは如何に特殊部隊が理に叶っていれば(一定の)武器を選べるかが判る実例ですよね









ジャングルで発揮した信頼性の高さなどから、1987年以降もジャングルなどを担当するSEALsが使用していても不思議ではないでしょうかね?

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

個人での持ち込みでしょうけど・・・















1931年に発売が開始され、アドルフ・ヒトラーも愛用した「ワルサーPPK」

・PP = Polizeipistole (警察用拳銃)

・K = kriminal (刑事 (用))

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

「ワルサーPP」を私服刑事向けに小型化した銃で、要人警護での使用を目的としていますが、その小ささとサプレッサーが使用出来る事から暗殺にも使用されているのが有名ですかね













ですが1968年の6月5日

当時のアメリカ合衆国大統領「ジョン・F・ケネディ」の弟である「ロバート・F・ケネディ」が、大統領選挙のキャンペーン期間中にワルサーPPKで銃撃され亡くなられました。

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

この事件がきっかけとなり、アメリカ国内にて小型拳銃の規制が始まりました。






小型拳銃のアメリカ輸入にも規制が掛かり、アメリカ国内向けにPPK/Sが1969年に開発されました

※因みに規制内容は、「銃の全高と全長が合計4インチ以上必要」とされています

「ワルサー PPK/S」

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)








1970年代にSEALsが私服での任務で隠し持つ為に使用され

SEALsミュージアムにも展示されいる「「ワルサーPPK/S」」

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)














1944年に生産され冷戦やベトナム戦争中にCIAとアメリカ特殊作戦要員に使用されたCOLT社の「HD」へサプレッサーを装着したモデル「HDM」

・HD = High Standard

・HDM = High Standard Model

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

SEALs創設の1962年から1991年の湾岸戦争中まで使用が確認されたとの話も有ります

バレル周りのサプレッサー後部には細かい真鍮メッシュのロールが巻かれ、フロント部分はいくつかのバッフル構造となっており22デシベルまでノイズを低減出来たそうです。

バレルの洗浄や状態チェックのためサプレッサーは取り外し可能ですが、サプレッサー自体は使い捨てとの事

しかしサプレッサーの寿命は以外にも長く200発だそうです











1964年にアメリカ海軍が共産党ゲリラ暗殺の為、SEALs専用としてより消音性が高いサイレンサー付ピストル開発を支援した「Mk22 Mod 0」

「Mk22で共産ゲリラを撃つと死んで静かになる」という様子をトウモロコシ粉で作るアメリカの軽食「Hush Puppy」を与えた狩猟犬が鳴き止み大人しくなる様子に例え、Mk22を「Hush Puppy」と呼んだりしていました。


「Mk22 Mod 0」

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

M39より7発多い14発の弾丸を装填可能で、専用の9mm弾「Mk144 Mod0」を使用

カスタムされたスライドストップにより、スライドロックが可能でブローバック音を無くす事が出来ます







元は1954年に生産された「S&W Modell 39」が量産品としてアルミフレームを採用し所、スチールだった今までの銃と違い、あまりに軽量で錆にも強かった為ベトナム戦争時の環境に適しており、その評価からSEALs使用として専用サプレッサーを装着可能にカスタムしたモデルがMk22になります

「Modell 39」

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

余談ですとアメリカ国内初のダブルアクション式ハンドガンでもあり、アルミフレーム採用もベレッタより先になりますね

ダブルアクションはドイツのワルサー P38をモデルにしたとの事










SEALsが使用したMK22のキット

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

専用のサプレッサーは標準的な超音速弾薬を使用すると、僅か6発でサプレッサー内のインサートがダメになる為、弾頭を重くし亜音速弾薬としたMk144弾を使用しますがそれでも25発~30発が限界との事で、交換用のインサートが支給されていたそうです















ベトナム戦争中にMk22を携帯するSEAL

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)















お次は1970年頃から使用されたとされるドイツの「H&K P9S」 (ISBN 0-425-19834-0)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

最大の特徴はフレームの先端・トリガーガード・グリップフレームがポリマーで出来ており、一部にしろオーストリアのGlockより先に銃へポリマーを取り入れたモデルになります

ハンドガンにMP5と同じ「ローラーロッキング方式」を採用しており、機構が複雑で汚れに弱く故障の原因になりやすい欠点がありますが、腐食に強いポリマー使用からSEALsは水中などの任務に使用したそうです。











1970年~1978年までと生産期間が短い上に水中の任務と特殊なシュチエーションの為、SEALsが使用したとされる文献より抜粋


ケビン・ドッカリー氏が書かれた「Weapons of the Navy Seals」

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)






「Kevin Dockery」氏

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

アメリカ陸軍に所属後ワシントンDCのホワイトハウスへ配属され、大統領警護のガードの任務に就かれました

軍から引退された後は文化遺産機関(キュレーター)として軍の歴史を収集し学び始め、軍の歴史についての本を書き始められます

ケビン氏自体もSEAL博物館のガイドや歴史家としてSEALsに関わり、SEALsの武器の歴史などを本に記され、グラフックデザイナーの講師や映画撮影などの技術顧問なども務めておられます












1976年にH&K社が水中用の銃として開発した「H&K P11」

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

P11は銃弾では無く10cm程のスチール製ダーツを発射します。

装填数は各バレル内に1本ずつの計5本で、ピストルグリップの電池パックにより点火され発射されます。

※5本のカートリッジを発射した後はリロードする為にメーカーへ送り返すそうです












同じく水中用の銃としてSEALsが使用したのが1980年生産「 S&W M686 」になります

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

同モデルのM586はスチール製に対しM686はステンレス製となっており錆などの腐食に強く、使用される357マグナム弾の威力は水中での射撃にも適していました。

SWCCも使用しています




(超余談)

現在は「マグナムリボルバー」など「マグナム」が名称になっていますが、「マグナム」とはラテン語では「大きい」ですが英語での「マグナム」は大型の酒瓶を意味しています

マグナムの元祖はイギリスのHolland and Holland社が1912年に開発した「.357H&Hマグナム弾」と高威力の弾丸が始まりで、アメリカの「.357マグナム弾」は1935年に開発されどちらも「マグナムは弾丸の名前」でした

それがいつの間にか「マグナム弾+銃の名前」で呼ばれるようになり、「マグナム弾を使用するリボルバー」が「マグナムリボルバー」と定着しました。











話を戻して

1950年アメリカのスターム・ルガー社が競技用として開発した「スタームルガーMkI」へ1982年にスライドストップレバーを追加し生産された「スタームルガーMkⅡ」

「スタームルガーMkⅡ」(サプレッサー無しモデルも有り)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)

レシーバーが銃身に固定されている事から作動に影響を与えずサプレッサーを増設可能としており

冷戦中に、CIAを始め暗殺任務用にサプレッサーを装着したMkIIが支給されていたそうです








まだまだある為今日はここまで


ブログを書かずに休日を自分のサバゲー用の装備集めで潰すとあっという間に1週間経つと言う・・・・ね






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この記事へのコメント
ハッシュパピーの由来には様々な説があるようですが、こんな理由もあったんですねー。

特殊作戦用に開発されているのでほぼ全てがサプレッサーを標準搭載してるのも興味深いですよね。
Posted by OKyou-MET3OKyou-MET3 at 2015年07月04日 23:52
OKyou-MET3様

お早いコメントありがとう御座いますw

現在の広い戦闘地域と違い、当時はジャングルなど接近戦が多かったので周りに気付かれ無いようにサプレッサーなどは必要だったのでしょうね・・・
Posted by ロマンロマン at 2015年07月04日 23:55
投稿お疲れ様です。

クリス・カイル氏がスプリングフィールドからP220に変えた理由についてなのですが色々言われていまして、理由の一つに規則違反の問題を回避する為だったといわれているらしいです。

米軍では任務で軍の銃で敵を殺害したりしてもそれは任務上のことでしかも軍の銃で問題ないのですが、個人の銃で敵を殺害したりすると任務上とはいえ軍の銃があるのに何故個人の銃で殺害したのかという問題が発生し最悪アメリカ国内法で殺人罪に問われかねないというということがあったらしいです。
当時、M4の砂漠での脆弱性が酷かったらしく敵から鹵獲したAKを使用する兵士が続出してこれも鹵獲したとはいえ元は敵軍のもので米軍のものではないという理由の為規則違反に抵触していると軍内部で問題視されていたらしいです。

なのでSEALsが正式採用していたP226と類似しているP220に変えて規則違反の問題を回避し誤魔化したといわれていたりします。まぁ色々と問題点は残りますが・・・・・

長文失礼いたしました。
Posted by ガルム at 2015年07月05日 03:45
ガルム様

お久しぶりです!


情報ありがと御座います勉強になります

結局の所戦争で任務とは言え殺害しても「英雄」か「人殺し」かを決めるのは己の信念や他人(法律)なので、永遠のグレーゾーンですよね・・・
Posted by ロマンロマン at 2015年07月06日 15:10