2015年06月04日
Navy SEALs 使用武器の考察 ⑫ (ショットガン編)
皆様こんにちは
前回に続きNavy SEALs が使用する武器について考察してみたいと思います。
・前回Navy SEALs 使用武器の考察 ⑪ 「MP5」編 (EX)へ
・初回「Navy SEALs 使用武器の考察 ①」へ
・別回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフル編 ①」へ
☆アメリカ合衆国軍(ブログの指針説明へ)☆←読んで下さると嬉しいです。

前回に続きNavy SEALs が使用する武器について考察してみたいと思います。
・前回Navy SEALs 使用武器の考察 ⑪ 「MP5」編 (EX)へ
・初回「Navy SEALs 使用武器の考察 ①」へ
・別回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフル編 ①」へ
☆アメリカ合衆国軍(ブログの指針説明へ)☆←読んで下さると嬉しいです。

「ショットガンとは」
「ショットシェル」と呼ばれるプラスチック製のケースと金属製のリムで作られたショトガン専用の弾薬を使用し、プラスチックケースの中に金属製の小さな弾丸が入っています


ショットシェル内の小さな弾丸は発射されると、銃口より様々な角度にて発射され一定の範囲内に散らばり着弾する事から「散弾」銃(ショットガン)と呼ばれます
散弾する事により近距離の動いているターゲットに対しての着弾も容易で、建物内などで接敵した場合など咄嗟の射撃に適しています

ベトナム戦争で使用され始めてからは敵のトーチカや地下トンネル内の戦闘に、その威力を遺憾なく発揮したことでも有名です
ショットガン特有の近距離での破壊力から、現在では「ドア・ブリーチング」にてドアの蝶番やドアノブ(鍵穴)破壊などでも用いられています

※写真は海兵隊より
その他には「スラッグ弾」と呼ばれる、一発の大きな弾を発射する散弾銃とは呼べないタイプもあります

こちらは散弾する従来の弾では狙撃が不可能な為、弾をまとめた事で有効射程を延長しある程度の狙撃を可能にした物です
「使用されたモデル」
「Winchester M1912」(Winchester Model 1912)
※通称で「M12」とも呼ばれています

「1912」は1912年開発より由来し開発時は20ゲージ型でしたが、1914年には12ゲージ型と16ゲージ型が発表さて1934年に28ゲージ型が追加されました
ハンマー内蔵式のポンプアクション式散弾銃として初めて開発されたモデルであり、各部品が高コストな鍛造と機械成型で製造されていた為生産中止となる1963年までの51年間、ベトナム戦争を始めとする一般的なポンプアクション式ショットガンとして使用され続けました。
Winchester M1897の構造を引き継いでおり、トリガーを引いたままでコッキングをする「スラムファイア」(連続射撃)が可能です
その後スラムファイアが可能なショットガンの後継としてベトナム戦争に導入されたのが「Ithaca M37」 (Ithaca Model 37)です
「Ithaca M37」

1933年より開発が開始され1937年に完成した事から「M37」と付けられています。
「Ithaca」はアメリカのIthaca Gun Company社が製造している事からの由来ですが、本来の「Ithaca」とはニューヨーク州の町の名前より由来しています
M37はフレーム横にエジェクションポートが無く、弾薬を入れるローディングゲートと薬莢が出るエジェクションポートをフレーム下部だけにまとめた事で軽量化に成功し、あまりの軽さから当時「フェザーライト」(羽根の様に軽い)とも呼ばれました

フレーム開口部が下部だけと言う事もあり外からの汚れに強く、その信頼性の高さから警察や軍に採用される事となり、「第二次世界大戦」や「ベトナム戦争」で活躍する事となります

「ベトナム戦争にてM37を使用するSEAL Team1」

「SEALによりカスタムされたM37」




ベトナム戦争中の洞窟内などで射撃した際、上下に弾が拡散する必要が無い為か水平にショットを拡散させようと使用した「DuckBill」(カモノハシ)と呼ばれるハイダーが特徴的ですね
「GATOR(ワニ)へ進化した動画」
「ワトソン氏がベトナム戦争で使用したDuckBill(左)と一緒に撮影されたGATOR(右)」


「Remington M7188」

1967年にベトナムで戦うSEALsの為にRemington M1100から開発されたモデルです
SEALsに要求されたいくつかのカスタムとフルオート機能を備えていましたが、破壊力こそ気に入ったもののカスタムによる負担とフルオート機構が非常に汚れに弱かった為ベトナムで使用するには不向きだったそうです
また、フルオートによる反動が大きすぎて制御が難しく、(当時の)拡張マガジンでは容量が少なすぎると指摘されました(この2つが特に大問題だったとの事)
ベトナムで使用されたSEALsの武器内に確認出来るM7188

1950年に「Remington M31」の後継機として開発された「Remington M870」
「Remington M870」

民間にて狩猟用として使用されましたが、セミ・オート式のショットガンよりも排莢や作動性が高いポンプアクション式ショットガンであるM870をRemington社による生産で信頼性をより高いものとした事により、警察機関や軍にも採用されました。
内部構造や作動方式に大きな変化は無いものの、警察や軍によるカスタムにより多くのバリエーションモデルが存在します
民間用「Model 870 Express」(SEALs未使用)

一般的なポンプアクション式ショットガンの固定ストックモデル
「Remington M870 Wing Mastar」

グレードアップしたプレミアモデルで、ストックがウレタン塗装で綺麗に仕上げられています。
「Remington 870 Police Wood」

1986年にウォールナットの木製ストックや改良されたシリンダーチョークを装備し、ブルースチールの使用やパーカライジングの処理により艶消しや使用寿命を延ばす工夫が成されたモデル
「Remington 870 Police Magnum」

ピストルグリップの使用と、全長が短く出来るバレルが選択可能になったモデル
「870 MARINE MAGNUM 12GA POLICE TRADES」

クロームステンレス使用の他に無電解ニッケルメッキをバレルの内側を含めた全体に施し、過酷な環境や海水や水による腐食に耐える事が可能な高耐久性の12ゲージショットガンで、主に海上保安庁など海上で活動する隊員が使用します
「M870 Masterkey」

ショットガンによるドア破壊の用途から1980年代にナイツアーマメント社が開発した「マスターキー」
M203 グレネードランチャーの様にM4のハンドガード下へ装着可能で、マスターキーを取り外しピストルグリップとやストックを装着して単体でも使用出来ます
「M870MCS」
・MCS = Modular Combat Shotgun

アメリカ軍からの要求により各種光学機器を取り付け可能なマウントレールを装備し、且つ使用目的に応じてストックやグリップなどの交換が可能なモデルとして2004年に開発されたモデル
1990年代初頭、トレーニング中にM870を使用するSEALs


イラクにて2004年に撮影

「SEALsによりカスタムされたM870」

ベントホールだらけの構造からSureFire社の 「M69 Picatinny Rai」と推測


よく見えないってのが正直な感想ですので間違っていたら申し訳ないです・・・
バレルについてはSTB社の「Remington 870 Serrated breaching barrel」がありますが・・・
・STB = SWAT / TACTICAL BREACHING PRODUCTS.

写真のバレルとハイダーに若干の色違いがあるので後付ハイダーって可能性も・・・?


フォアグリップはTango Down社の「Short foregrip」ですね

「タクティカルライト付きのM870」


一番左のM870はTANカラーに塗装されていますね
ハンドガードの一部がODカラーな事から、Surefire社のShotgun Forend WeaponLightですかね


ただSEALsで使用されているのは「918FA Shotgun Forend WeaponLight」と大型なライトが多い気がします
広げられたSEALsの武器に見られるM870


お次は「Mossberg M590A1」 (NSN 1005-01-251-8578)

Mossberg自体は1960年代にmossberg & sons社により発売されました
「Mossberg M500」

機関部がアルミ合金で作られている事により腐食に強かった事に注目したMossberg社が、軍や警察向けにラインナップしたのが「M590」になります

M500と違い木製素材を使用しないスタイルに加え、加熱したアウターバレルに触って焼けどしないようにヒートシールドが装備されているのが特徴的です
プラスチック製だったM500のトリガーガードは金属製に変更され、バレルの肉厚も高めた為耐久性が向上しています
耐久性を向上させたM590は当時アメリカ軍が要求する「耐久テスト」にクリア出来た唯一のモデルとなり、陸軍・海軍・海兵隊に採用される事となります
※採用銃のトライアルには実射テストなど他の項目もあり、M590は耐久の面で優れていたと言う意味です



写真のようにヒートシールドが確認出来ない場合、個人的ですが簡単な見分けポイントはトリガーガードの形状ですかね?
SEALsがショットガンを使用するシチュエーションが珍しい為写真皆無、見つけたら更新してみます
申し訳ありません・・・
おまけ程度ですが陸軍特殊部隊用に短縮化されたMossberg
「M9200A1」

セミオートショットガンより
「Benelli M1 」


セミオートが可能なショットガンとして1980年代にBenelli社が開発
最初の方にご紹介したフルオートショットガン「Remington M7188」の教訓からか、ショットシェルをバレル下のマガジンチューブへ装填する構造やショットシェル自体の大きさから、ただでさえ装填数の少ないショットガンに消費の激しくなるセミオート機構を持たせる意味が無い事や、信頼性ではポンプアクションの方が高いなどといった通説があったそうです

そしてこの通説を打ち破りセミオートショットガンでの信頼性を確立したのが、ベネリ社が独自に開発した「Inertia operation」(イナーシャ・オペレーション)と言う機構です


慣性を利用して作動させる反動利用方式で、ボルトの後退で銃身に掛かる反動に加え、ボルト自体に内蔵された反発バネの力も利用します
そのおかげでバレルの後退量を必要最小限に抑える事が出来、ボルトの反発バネの反作用でバレルからの衝撃も相殺できる為、バレル後退による衝撃を小さくする事も可能です。
しかも反動の発生をバレルの後退量だけに頼らない為、ロングリコイルではバレル後退に必要なエネルギーが不足する「軽装弾」を使用した場合でも安定して回転を行う事ができるそうです
動画の方が分かり易いです
現在この「Inertia operation」方式を採用するメーカーはベネリ社と、ベネリ社のアンダーライセンスを受けたフランキなどの一部だけとの事
「モデル」
「Benelli M2」


写真2枚目はマガジンの延長やフレームにレイルなどを追加した2000年代からの「practical」カスタム
「Benelli M3」


M2までセミオートマチック専用でしたが、M3よりセミ・ポンプ切り替え機構を採用
しかしセミ・ポンプ切り替え機構を採用により先端に重量が増した事で重量バランスが悪くなったと言われています
「Benelli M3T」(SEALs未使用)

フォールディングバットストックを装備し、取り回しを向上させたモデルで海上自衛隊も採用しています
「Benelli M4」軍正式採用は「M1014」


1998年に設計されアメリカ陸軍が1990年にトライアルを開始、1998年には製造が開始され1999年にトライアルに勝ち残り、軍正式のセミオートショットガンとなりました。
最大の特徴はイナーシャ・システムだったのがM4からガス圧利用式である「A.R.G.O.」(Auto Regulating Gas Operated = ガス圧自動調節)システムへと変更された事ですかね

チャンバーのすぐ前に2本から成るステンレス製ピストンを備える方式で、チャンバーの長さや使用するショットシェルに応じて安定した作動を実現できます。
※非殺傷用の弱層弾を使用する際にはボルトを直接手で作動させる必要有り。
信頼性を上げるためポンプアクション機能も省かれイナーシャ・システムよりも部品点数が少なくなり信頼性が向上し、反動をきっちり受け止めないと作動しないという反動利用方式の弱点も無くなりました。
NSWで唯一使用されていた写真
・NSW = Naval Special Warfare (アメリカ海軍特殊戦)

確認出来次第更新予定・・・・
今日はここまで
・次回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)」へ
・前回Navy SEALs 使用武器の考察 ⑪ 「MP5」編 (EX)へ
「ショットシェル」と呼ばれるプラスチック製のケースと金属製のリムで作られたショトガン専用の弾薬を使用し、プラスチックケースの中に金属製の小さな弾丸が入っています


ショットシェル内の小さな弾丸は発射されると、銃口より様々な角度にて発射され一定の範囲内に散らばり着弾する事から「散弾」銃(ショットガン)と呼ばれます
散弾する事により近距離の動いているターゲットに対しての着弾も容易で、建物内などで接敵した場合など咄嗟の射撃に適しています

ベトナム戦争で使用され始めてからは敵のトーチカや地下トンネル内の戦闘に、その威力を遺憾なく発揮したことでも有名です
ショットガン特有の近距離での破壊力から、現在では「ドア・ブリーチング」にてドアの蝶番やドアノブ(鍵穴)破壊などでも用いられています

※写真は海兵隊より
その他には「スラッグ弾」と呼ばれる、一発の大きな弾を発射する散弾銃とは呼べないタイプもあります

こちらは散弾する従来の弾では狙撃が不可能な為、弾をまとめた事で有効射程を延長しある程度の狙撃を可能にした物です
「使用されたモデル」
「Winchester M1912」(Winchester Model 1912)
※通称で「M12」とも呼ばれています

「1912」は1912年開発より由来し開発時は20ゲージ型でしたが、1914年には12ゲージ型と16ゲージ型が発表さて1934年に28ゲージ型が追加されました
ハンマー内蔵式のポンプアクション式散弾銃として初めて開発されたモデルであり、各部品が高コストな鍛造と機械成型で製造されていた為生産中止となる1963年までの51年間、ベトナム戦争を始めとする一般的なポンプアクション式ショットガンとして使用され続けました。
Winchester M1897の構造を引き継いでおり、トリガーを引いたままでコッキングをする「スラムファイア」(連続射撃)が可能です
その後スラムファイアが可能なショットガンの後継としてベトナム戦争に導入されたのが「Ithaca M37」 (Ithaca Model 37)です
「Ithaca M37」

1933年より開発が開始され1937年に完成した事から「M37」と付けられています。
「Ithaca」はアメリカのIthaca Gun Company社が製造している事からの由来ですが、本来の「Ithaca」とはニューヨーク州の町の名前より由来しています
M37はフレーム横にエジェクションポートが無く、弾薬を入れるローディングゲートと薬莢が出るエジェクションポートをフレーム下部だけにまとめた事で軽量化に成功し、あまりの軽さから当時「フェザーライト」(羽根の様に軽い)とも呼ばれました

フレーム開口部が下部だけと言う事もあり外からの汚れに強く、その信頼性の高さから警察や軍に採用される事となり、「第二次世界大戦」や「ベトナム戦争」で活躍する事となります

「ベトナム戦争にてM37を使用するSEAL Team1」

「SEALによりカスタムされたM37」




ベトナム戦争中の洞窟内などで射撃した際、上下に弾が拡散する必要が無い為か水平にショットを拡散させようと使用した「DuckBill」(カモノハシ)と呼ばれるハイダーが特徴的ですね
「GATOR(ワニ)へ進化した動画」
「ワトソン氏がベトナム戦争で使用したDuckBill(左)と一緒に撮影されたGATOR(右)」


「Remington M7188」

1967年にベトナムで戦うSEALsの為にRemington M1100から開発されたモデルです
SEALsに要求されたいくつかのカスタムとフルオート機能を備えていましたが、破壊力こそ気に入ったもののカスタムによる負担とフルオート機構が非常に汚れに弱かった為ベトナムで使用するには不向きだったそうです
また、フルオートによる反動が大きすぎて制御が難しく、(当時の)拡張マガジンでは容量が少なすぎると指摘されました(この2つが特に大問題だったとの事)
ベトナムで使用されたSEALsの武器内に確認出来るM7188

1950年に「Remington M31」の後継機として開発された「Remington M870」
「Remington M870」

民間にて狩猟用として使用されましたが、セミ・オート式のショットガンよりも排莢や作動性が高いポンプアクション式ショットガンであるM870をRemington社による生産で信頼性をより高いものとした事により、警察機関や軍にも採用されました。
内部構造や作動方式に大きな変化は無いものの、警察や軍によるカスタムにより多くのバリエーションモデルが存在します
民間用「Model 870 Express」(SEALs未使用)

一般的なポンプアクション式ショットガンの固定ストックモデル
「Remington M870 Wing Mastar」

グレードアップしたプレミアモデルで、ストックがウレタン塗装で綺麗に仕上げられています。
「Remington 870 Police Wood」

1986年にウォールナットの木製ストックや改良されたシリンダーチョークを装備し、ブルースチールの使用やパーカライジングの処理により艶消しや使用寿命を延ばす工夫が成されたモデル
「Remington 870 Police Magnum」

ピストルグリップの使用と、全長が短く出来るバレルが選択可能になったモデル
「870 MARINE MAGNUM 12GA POLICE TRADES」

クロームステンレス使用の他に無電解ニッケルメッキをバレルの内側を含めた全体に施し、過酷な環境や海水や水による腐食に耐える事が可能な高耐久性の12ゲージショットガンで、主に海上保安庁など海上で活動する隊員が使用します
「M870 Masterkey」

ショットガンによるドア破壊の用途から1980年代にナイツアーマメント社が開発した「マスターキー」
M203 グレネードランチャーの様にM4のハンドガード下へ装着可能で、マスターキーを取り外しピストルグリップとやストックを装着して単体でも使用出来ます
「M870MCS」
・MCS = Modular Combat Shotgun

アメリカ軍からの要求により各種光学機器を取り付け可能なマウントレールを装備し、且つ使用目的に応じてストックやグリップなどの交換が可能なモデルとして2004年に開発されたモデル
1990年代初頭、トレーニング中にM870を使用するSEALs


イラクにて2004年に撮影

「SEALsによりカスタムされたM870」

ベントホールだらけの構造からSureFire社の 「M69 Picatinny Rai」と推測


よく見えないってのが正直な感想ですので間違っていたら申し訳ないです・・・
バレルについてはSTB社の「Remington 870 Serrated breaching barrel」がありますが・・・
・STB = SWAT / TACTICAL BREACHING PRODUCTS.

写真のバレルとハイダーに若干の色違いがあるので後付ハイダーって可能性も・・・?


フォアグリップはTango Down社の「Short foregrip」ですね

「タクティカルライト付きのM870」


一番左のM870はTANカラーに塗装されていますね
ハンドガードの一部がODカラーな事から、Surefire社のShotgun Forend WeaponLightですかね


ただSEALsで使用されているのは「918FA Shotgun Forend WeaponLight」と大型なライトが多い気がします
広げられたSEALsの武器に見られるM870


お次は「Mossberg M590A1」 (NSN 1005-01-251-8578)

Mossberg自体は1960年代にmossberg & sons社により発売されました
「Mossberg M500」

機関部がアルミ合金で作られている事により腐食に強かった事に注目したMossberg社が、軍や警察向けにラインナップしたのが「M590」になります

M500と違い木製素材を使用しないスタイルに加え、加熱したアウターバレルに触って焼けどしないようにヒートシールドが装備されているのが特徴的です
プラスチック製だったM500のトリガーガードは金属製に変更され、バレルの肉厚も高めた為耐久性が向上しています
耐久性を向上させたM590は当時アメリカ軍が要求する「耐久テスト」にクリア出来た唯一のモデルとなり、陸軍・海軍・海兵隊に採用される事となります
※採用銃のトライアルには実射テストなど他の項目もあり、M590は耐久の面で優れていたと言う意味です



写真のようにヒートシールドが確認出来ない場合、個人的ですが簡単な見分けポイントはトリガーガードの形状ですかね?
SEALsがショットガンを使用するシチュエーションが珍しい為写真皆無、見つけたら更新してみます
申し訳ありません・・・
おまけ程度ですが陸軍特殊部隊用に短縮化されたMossberg
「M9200A1」

セミオートショットガンより
「Benelli M1 」


セミオートが可能なショットガンとして1980年代にBenelli社が開発
最初の方にご紹介したフルオートショットガン「Remington M7188」の教訓からか、ショットシェルをバレル下のマガジンチューブへ装填する構造やショットシェル自体の大きさから、ただでさえ装填数の少ないショットガンに消費の激しくなるセミオート機構を持たせる意味が無い事や、信頼性ではポンプアクションの方が高いなどといった通説があったそうです

そしてこの通説を打ち破りセミオートショットガンでの信頼性を確立したのが、ベネリ社が独自に開発した「Inertia operation」(イナーシャ・オペレーション)と言う機構です


慣性を利用して作動させる反動利用方式で、ボルトの後退で銃身に掛かる反動に加え、ボルト自体に内蔵された反発バネの力も利用します
そのおかげでバレルの後退量を必要最小限に抑える事が出来、ボルトの反発バネの反作用でバレルからの衝撃も相殺できる為、バレル後退による衝撃を小さくする事も可能です。
しかも反動の発生をバレルの後退量だけに頼らない為、ロングリコイルではバレル後退に必要なエネルギーが不足する「軽装弾」を使用した場合でも安定して回転を行う事ができるそうです
動画の方が分かり易いです
現在この「Inertia operation」方式を採用するメーカーはベネリ社と、ベネリ社のアンダーライセンスを受けたフランキなどの一部だけとの事
「モデル」
「Benelli M2」


写真2枚目はマガジンの延長やフレームにレイルなどを追加した2000年代からの「practical」カスタム
「Benelli M3」


M2までセミオートマチック専用でしたが、M3よりセミ・ポンプ切り替え機構を採用
しかしセミ・ポンプ切り替え機構を採用により先端に重量が増した事で重量バランスが悪くなったと言われています
「Benelli M3T」(SEALs未使用)

フォールディングバットストックを装備し、取り回しを向上させたモデルで海上自衛隊も採用しています
「Benelli M4」軍正式採用は「M1014」


1998年に設計されアメリカ陸軍が1990年にトライアルを開始、1998年には製造が開始され1999年にトライアルに勝ち残り、軍正式のセミオートショットガンとなりました。
最大の特徴はイナーシャ・システムだったのがM4からガス圧利用式である「A.R.G.O.」(Auto Regulating Gas Operated = ガス圧自動調節)システムへと変更された事ですかね

チャンバーのすぐ前に2本から成るステンレス製ピストンを備える方式で、チャンバーの長さや使用するショットシェルに応じて安定した作動を実現できます。
※非殺傷用の弱層弾を使用する際にはボルトを直接手で作動させる必要有り。
信頼性を上げるためポンプアクション機能も省かれイナーシャ・システムよりも部品点数が少なくなり信頼性が向上し、反動をきっちり受け止めないと作動しないという反動利用方式の弱点も無くなりました。
NSWで唯一使用されていた写真
・NSW = Naval Special Warfare (アメリカ海軍特殊戦)

確認出来次第更新予定・・・・
今日はここまで
・次回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑬ (サイドアーム編 ①)」へ
・前回Navy SEALs 使用武器の考察 ⑪ 「MP5」編 (EX)へ
Posted by ロマン at 23:10
│■Navy SEALs (ネイビーシールズ)│銃器
この記事へのコメント
こんにちわ
ついにショットガンですか、ドア破壊道具の定番ですね。
イサカのカスタムモデル初めて見ました。
SEALsはベトナム戦争中にもセミオートショットガンRemington Model 7188が使っていますよ。
ついにショットガンですか、ドア破壊道具の定番ですね。
イサカのカスタムモデル初めて見ました。
SEALsはベトナム戦争中にもセミオートショットガンRemington Model 7188が使っていますよ。
Posted by 海より陸(軍) at 2015年06月05日 09:49
海より陸(軍)様
Model7188の情報ありがとう御座います
助かります m(_ _)m
早速考察してみましたがM7188はセミオートでは無くフルオートでした、凶悪ですねw
同時にWinchester M1912も使用していたみたいなので少しですが加えました。
見た目が似ている為かSEALsのイサカをWinchesterと間違われている情報もちょっとありました
Model7188の情報ありがとう御座います
助かります m(_ _)m
早速考察してみましたがM7188はセミオートでは無くフルオートでした、凶悪ですねw
同時にWinchester M1912も使用していたみたいなので少しですが加えました。
見た目が似ている為かSEALsのイサカをWinchesterと間違われている情報もちょっとありました
Posted by ロマン
at 2015年06月05日 11:04

追加ありがとうございます。
M7188フルオートだったんですか、なんと恐ろしい・・・
まあ今はAA-12というもっと恐ろしいものも存在しますが(苦笑い)
SEALs隊員がショットガンを撃つ画像ですが撃っているのはモスバーグM590ですよ。
M7188フルオートだったんですか、なんと恐ろしい・・・
まあ今はAA-12というもっと恐ろしいものも存在しますが(苦笑い)
SEALs隊員がショットガンを撃つ画像ですが撃っているのはモスバーグM590ですよ。
Posted by 海より陸(軍)派 at 2015年06月05日 13:02
海より陸(軍)派様
AA-12のサイズでやっとフルオート制御が出来るんでしょうね~
マルイさん新作の電動AA-12も色んな意味で恐ろしくなりそうですね
やはりM590でしたか・・・
最初にあの写真を見た時、なんで木製を廃止した筈のM590を態々木製に戻して、しかもデメリットでしかないジャングルで使用しているのか分からなかった為、俄かにM590とは信じられなかったんですよ・・・
もしかしたらM500をカスタムした物かもしれませんね?
AA-12のサイズでやっとフルオート制御が出来るんでしょうね~
マルイさん新作の電動AA-12も色んな意味で恐ろしくなりそうですね
やはりM590でしたか・・・
最初にあの写真を見た時、なんで木製を廃止した筈のM590を態々木製に戻して、しかもデメリットでしかないジャングルで使用しているのか分からなかった為、俄かにM590とは信じられなかったんですよ・・・
もしかしたらM500をカスタムした物かもしれませんね?
Posted by ロマン
at 2015年06月05日 14:45

こんにちは〜!
密かにロマンさんがショットガンを取り上げてくださることを心待ちにしておりました!
いつもながら大変勉強になりました、ありがとうございますm(__)m
密かにロマンさんがショットガンを取り上げてくださることを心待ちにしておりました!
いつもながら大変勉強になりました、ありがとうございますm(__)m
Posted by aki
at 2015年06月06日 23:10

aki様
コメントありがとう御座います
m(_ _)m
なんか質素な内容で申し訳ないです・・・
使用例など見かけたら随時更新をして行く予定ですのでご容赦を・・・
コメントありがとう御座います
m(_ _)m
なんか質素な内容で申し訳ないです・・・
使用例など見かけたら随時更新をして行く予定ですのでご容赦を・・・
Posted by ロマン
at 2015年06月07日 23:36
