2014年06月08日
ガンナーについての考察
「マシンガン」(機関銃)とは
中世ヨーロッパ時代より白兵戦を主体とする戦争文化が発達し、勝敗が決定するのは敵陣への突撃次第とされ「訓練された兵士の勇気ある突撃は、どんな防御をも打ち砕く!」と言う理念は常識とされてきました。

第一次世界大戦になっても「突撃こそ美学」とマシンガン相手に突撃を繰り返しましたが、死体の山をつくるだけの結果になりました。
同じ弾なのに「連射力」が加わっただけで跳ね上がった戦果と現実から次第に「勇気ある突撃」の無意味差に気が付き始めます(一部の上官は全く受け入れなく、被害が拡大した所も有り)
やがて各国にて競い合うように「機関銃」の開発が進み、大砲のような台車に乗っかり3人程で運用していた機関銃も次第に小型化されていきました。

第一次世界大戦のドイツ軍が使用した「MG08」
そして小型化された機関銃が開発されると、小型の物を「軽機関銃」大型の物を「重機関銃」と区別するようになりましたが、その機関銃の重さや熱によるバレル交換の為まだ一人だけでの運用は難しい物でした。

機関銃の先駆けとなった「M60」アメリカベトナム戦争にて使用されました。
アメリカ軍はベトナム戦争時「M60」はジャングルに運用するには重すぎで負担にしかならない事を学び、1970年代より「一人だけでも射撃可能」と言う理念に重点を置いた兵器の開発が始まりました。
その理念にて開発された機関銃を「SAW」(Squad Automatic Awapon)分隊支援火器と呼びます。
分隊支援火器登場にてマシンガンは更に分類されました。
・1人で運搬と射撃が可能な5.56mm使用の機関銃を「軽機関銃」

・射手と弾薬手2人で運用する7.62mm使用の機関銃を「汎用機関銃」

ここまでが「分隊支援火器」です。
上記以上に大きな弾丸を使用し、3~4人程で運用する機関銃を「中機関銃」や「重機関銃」と呼びます。

分隊内における「ガンナー」とは分隊支援火器射手の事を指します。

主な役割は敵を撃破するだけでなく支援火器使用による部隊の火力を補う事と、こちらを攻撃してくる敵に向かい支援火器で弾丸を浴びせ動きを封じて、前進する味方兵士を支援します。
敵勢力に対して絶え間ない射撃を続けることによって敵の行動を阻止し、味方の行動機会を作るために行われる攻撃を「制圧射撃」と言います。(通常は短時間だけの射撃)
歩兵の基本的戦術の1つでもあり、味方が攻撃や撤退のために遮蔽物から出て移動する間、敵の攻撃を阻止することを目的で行われることが多く、機関銃による連続射撃がこの目的に適しています。
(余談)
全兵科とサバゲーにも言える事なのですが、支援射撃中に味方が目の前を通過する事があると思います。
射撃中の兵士の前を通る事は確かに危険行為でもあるのですが、戦闘中にそんな事は言ってられません。
訓練中などでは相手兵士に批があるでしょうが、戦闘中においてのフレンドリーファイアは射撃手の技術不足です。
建物に潜入中味方と鉢合わせした際一瞬で敵味方を判別するなど、「フレンドリーファイアをしない技術」は必須です。
「部隊の火力を補うとは」
写真のM249で100発~200発の弾丸を毎分700~1000発撃つ事ができ、約歩兵12人分の火力があるとされています。

では何故全員が「ガンナー」では無いのかと言いますと、箇条書きで申し訳ないのですが
①機関銃自体まだ若干の重量を残している為、取り回しが悪く市街地での戦いに若干の難がある。
②歩兵1人が所持する弾の多さや交換用のバレル所持による重さの負担がある。
③連射に特化した構造からリロード時間が長くなっており、リロード中は全くの無防備になってしまう。
④バレルなどの熱により、常に撃ち続けられる訳では無い為
⑤発砲音・弾道から敵に発見される可能性が一番高く、その脅威からスナイパーに続く高排除対象となる為
などが上げられます。
「サバゲーにおけるガンナーの立ち回りについて」
ガンナーは射撃時動きを止めて撃つ為、離れた位置からの射撃となります。その為ライフルマン達から一歩置いた位置より制圧射撃を行い敵の攻撃を妨害し、ライフルマン達の進軍を支援しましょう。
陣地防御時は遮蔽物を利用し、迫ってくる敵を迎い撃てる位置を陣取るのが大切です。
(右側 昔ガンナーだった頃の私ですw)
身を呈して射撃したい気持ちも分かりますが、なるべく隠れながらの射撃を心がけて下さい。
サバゲーでの分隊支援火器運用にて、一番気をつけないといけないのが「トリガーハッピー」です。
「トリガーハッピー」とは
銃器を扱う際射撃のみに集中してしまう状態を指します。
現実では銃声と反動により意識に空白の時間ができてしまうことで、正確な状況判断ができなくなり目標に対する射撃のみを執拗に行うなどの状態で、新兵がなりやすいとされてます。
(上官の指示が聞けなくなったり、味方と連携ができなくなったりする為早い段階で訓練による矯正を行うとの事)

実際の軍隊に限らず、サバゲーやFPS(ゲーム)などでも初心者がなりやすい症状を言います。
もちろん味方の進軍においてトリガーを引き続けないといけないシチュエーションがありますが、あくまで機銃や大軍勢を相手にした時のみです。
サバゲーにおいてトリガーハッピーを行う行為は
①敵へ自分や味方が居る場所のアピール
②命綱である弾薬の無駄消費
③味方の連携(声掛け)の阻害
④敵の射撃音位置索敵の阻害
⑤銃本体への負担
と「100害あって1利なし」の行為です。
的確な射撃と状況判断が出来るように、一定の間隔で連射するようにしましょう。
「参考動画」
M249の射撃に注目です。トリガー引きっぱなしではないのが好印象
ちょっとトリガーハッピー気味な方です。
確か5:00あたりでM249を「撃ちすぎ」と注意されていたかと思いますが違ってたら御免なさい
今日はここまで
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