2014年07月11日

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

皆様こんにちは




今回はアメリカ陸軍第75レンジャー連隊について考査してみたいと思います。



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第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)














アメリカ陸軍特殊作戦コマンド「第75レンジャー連隊」(U.S.Army 75th Ranger Regiment)
 
第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

部隊のモットーは「Rangers lead the way」(レンジャーが道を拓く)

もうひとつはラテン語の「Sua Sponte」(自らの意思で)英文だと「Of their own accord」








「レンジャーとは」

元はドイツでの猟師やハンターのような兵種の事を指す言葉で、現在では部隊や組織の隊員(職員)を指したり、一般的な警備員から陸軍兵のエリートまで広い意味合いで使われています。


アメリカ軍の指す「レンジャー」とは17世紀にアメリカの先住民と戦った「レンジャー辺境部隊」が起源と言われており、18世紀に入ると「ロバート・ロジャーズ少佐」が1756年に9個中隊で構成されたレンジャー部隊を編成し、フレンチ・インディアン戦争やアメリカ独立戦争と南北戦争にも参加しました。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)







第二次世界大戦が始まると「ジョージ・マーシャル将軍」は、イギリス軍のコマンドスに相当する部隊である「第1レンジャー大隊」の創設を認め、6個のレンジャー大隊が編成されます。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

この創設が現在の「レンジャー連隊」の始まりになります。








特殊部隊となったレンジャーはイギリス軍のコマンド特殊訓練施設で訓練を受け、初陣もコマンドの指揮下で連合軍のフランスへの奇襲上陸作戦「ジュビリー作戦」を戦いました。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)







その後はイタリア戦線に投入され「第1特殊任務部隊」(後のグリーンベレー)と共に目覚しい戦果を上げたそうです。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

大戦後レンジャー部隊は解散されましたがレンジャーの訓練プログラムは、アメリカ陸軍達に兵士としての資質・能力・力量・統率力を提供し続けました。








1960年にベトナム戦争が始まると「第75歩兵連隊」の13個目の小隊としてレンジャーは略式に復活します。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

1974年になるとレンジャー部隊は「第75レンジャー歩兵連隊第1大隊」と「第2大隊」として正式に再編成され、1980年代に3個目の大隊である「第3大隊」が編制されました。






レンジャーは18世紀から現在まで、アメリカ陸軍の主要な作戦には必ず参加している正に精鋭部隊です。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)










現在のアメリカ陸軍第75レンジャー連隊は「アメリカ陸軍特殊作戦コマンド」の傘下に置かれ、通常戦闘と特殊作戦の両方を遂行できる3個の大隊規模な精鋭部隊となっています。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

レンジャー大隊は660名の兵員(定数は580名で15%は予備人員)、本部中隊および3個小銃中隊(各152名)で編制しています。

そして各中隊は本部小隊と3個小銃小隊、武器小隊より編制









遊撃戦やパラシュート降下も可能であったりとアメリカ陸軍有数の柔軟性を誇り機動力を重視しているため、レンジャー連隊は比較的に軽武装であり、榴弾砲やTOW、短距離防空ミサイル・システムなど大掛かりな兵器は保有しておらず、後方支援能力についても非常に限定され補給品は基本5日分のみで、レンジャー連隊の輸送力もほぼ皆無だそうです。

その為長期間に渡って戦闘を継続する場合は、空挺師団や海兵遠征旅団など大規模で強力な部隊の増援が必要との事

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)









特殊部隊の支援を担当することが多い事からレンジャー部隊も特殊部隊として扱われる事が多いそうです。

有名な例では映画にもなった1993年ソマリアでおこったモガディシュの戦闘で、「デルタフォース」と「レンジャー」が共同作戦を行っています。

映画「ブラックホーク・ダウン」

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

レンジャーで訓練と経験を積んだ後に「グリーンベレー」へ入隊するケースが多い為、「グリーンベレー養成機関」とも呼ばれています。











連隊本部とレンジャー大隊3個からの編制後は緊急即応部隊という連隊の任務から、毎月レンジャー大隊のうちの1個が「レンジャー即応部隊」(RRF:Ranger Response Force)に指定され、指令から18時間以内に出撃が可能な態勢を取っているそうです。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)










レンジャー連隊の連隊本部はジョージア州フォート・ベニングにあり、ここには「レンジャー訓練旅団」が置かれ「リーダーシップ訓練」や「長距離偵察訓練」を行っています。

※レンジャー部隊に志願できるのは「空挺資格」を持つ陸軍兵のみです。

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

将校は「レンジャー基礎指導プログラム」を、下士官は「レンジャー教化プログラム」をそれぞれ受ける事になり、ここで志願兵の肉体と精神の両面で適性が評価されます。







合格した兵士はレンジャー訓練生としてレンジャー大隊に配属されます。

ここではレンジャー式戦闘の基礎を学びますが、この期間がレンジャー学校で最も過酷なリーダーシップ訓練課程とも言われており、山岳戦や森林戦の訓練も含います。

そして合格した者は「レンジャー資格者」であることを示す、「レンジャー肩章」を与えられます。



第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)










今日はここまで









余談でちょっと有名な人をご紹介

第75 レンジャー連隊 第3大隊所属 (3rd Battalion, 75th Ranger Regiment)

Joe Kapacziewski 氏

第75レンジャー連隊(Ranger Regiment)

2005年にイラク北部で味方の車両が敵の攻撃に遭い搭乗していたストライカーのガンナーハッチに手榴弾が投げ込まれ、40 回以上に及ぶ外科手術と右足を切断する程の重症に視まわれます。

その後義足になるも再びレンジャーへ戻りましたが、アフガニスタン東部の集落で再び待ち伏せ攻撃に遭遇したりと危機的な状況から命に関わる負傷を繰り返しながらも不屈の精神でレンジャーとしての役割を果たし続けています。

その功績からパープルハート勲章を3回も授与されています。

※パープルハート勲章 (Purple Heart) アメリカ合衆国の名誉負傷章







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この記事へのコメント
今晩は、!です。
米陸軍の第75レンジャー連隊の歴史と装備を
見ました。元米陸軍大尉の飯柴智亮氏がおっしゃように
「誰が何と言おうと、第75レンジャー連隊は最高の部隊
です」と言ってた意味が良く分かります。陸自のレンジャーに
比べて見れば違いが分かります(陸自の隊員の皆様をバカにした意味
ではありませんので、誤解をしないで下さい。お願いします。)
Posted by ! at 2014年10月06日 22:24
「!」様

はじめまして、コメントありがとう御座います


私自身は特に「何処が優れている」と言った概念は無く、戦争犯罪を行っていなければ「国や家族を守る」意味合いを含め、命を賭して祖国を守る各部隊全てが「最高の部隊」だと思い尊敬しております。


ミリタリー好きですが戦争は反対と言った、意味不明な私が言うのも難ですがねw
Posted by ロマンロマン at 2014年10月06日 22:36