2015年05月03日
Navy SEALs 使用武器の考察 ⑩ 「MP5」編 (後編)
皆様こんにちは
今回も引き続きNavy SEALs が使用する武器について考察してみたいと思います。
・前回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑨ 「MP5」編 (中編)」へ
・初回「Navy SEALs 使用武器の考察 ①」へ
・別回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフル編 ①」へ
☆アメリカ合衆国軍(ブログの指針説明へ)☆←読んで下さると嬉しいです。

今回も引き続きNavy SEALs が使用する武器について考察してみたいと思います。
・前回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑨ 「MP5」編 (中編)」へ
・初回「Navy SEALs 使用武器の考察 ①」へ
・別回「Navy SEALs 使用 スナイパーライフル編 ①」へ
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1974年にH&K社がMP5シリーズへ発射音と発射炎を低減させる内装式のサウンドサプレッサーを装備したSDモデルを特殊部隊向けに設計開始
※MP5自体は1965年頃に開発

SDとはドイツ語で「Shalldämpfer」シャル・ダンファー(デンプファー) = 消音器を意味します
SDの最大の特徴である大型のサプレッサーは、内蔵された「バッフル」や「ワイプ」で区切られた多数の空気室により、発砲時に発生する高圧のガスを空気室内に拡散させ、徐々に圧力を下げてから外部に放出する事で銃口から放出される火薬の燃焼ガスの破裂音を低減します

「年代で変化するサプレッサーの内部構造」
「ワイプ構造」

ワイプは弾丸が通過する事による磨耗が高い為、使用回数が約30~50発程度で命中精度も大幅に悪化します。
ワイプが消耗するまでの数発はワイプによって空気室がほぼ密閉されているので消音効果が高いそうですが、アメリカでサプレッサーを修理する場合は「BATFE」の許可が必要であり、ワイプ式サプレッサーの修理には許可申請後より半年以上もかかる事が多いそうで民間用のワイプ式は殆ど使用されなくなったそうです。
・BATFE = Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives (アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)
「バッフル構造」
1971年にH&K社が特許を取得した初期型MP5SDサプレッサーの断面図


バッフルの穴が弾丸の直径に近ければ近いほど消音効果が高まる為、銃口との接続部とバッフルに高い工作精度が必要となります。
もし発射時に弾丸がサプレッサー内部と接触した場合は「バッフルストライク」の原因となり、サプレッサーが破損して弾丸が予期しない方向に飛ぶほか、フルオート射撃時だった場合ではサプレッサーが破裂して射手が重傷を負う場合があります。
又、サプレッサーは熱を持つと消音効果に影響が出るため、水や専用の冷却材を入れ消音効果を高める仕様の物があり、SDシリーズのサプレッサーも内部に水を入れる事が出来る設計となっています。(実銃の話です)
「参考動画」
音速以上で9mmx19弾が飛ぶと衝撃波によって音が発生する為、サプレッサーを使用した場合は音速を下回る亜音速弾で飛びます
・超音速 = スーパーソニック (supersonic speed) 約マッハ数1.3~5.0
・亜音速 = サブソニック (subsonic speed) 約マッハ0.3
発射音やマズルフラッシュ軽減効果が高い為15メートル離れると殆どボルト音しか聞こえないらしいですが、MP5に採用されているローラーロッキングシステムは減音効果を高めるものの、複雑な構造が仇となりサプレッサーよって溜まる発砲ガスの汚れがそのまま故障する起因にもなっているそうです。
他、40年以上前の設計に大きな変化が無く、最近ではワンタッチで外せるサプレッサーが普及し、ネジ式レベルでの固定も可能な為
当時のサプレッサー一体型による性能付加の無意味差が指摘されており、弾丸を減速するSDモデルは命中精度の低下も著しいとの声が多く上がっているとの事
「MP5 SDシリーズ」
「MP5 SD プロトタイプ」

「MP5 SD1」

MP5A1のSDモデル
MP5Kの様にストックの代わりに「エンドプレート/レシーバキャップ」が装備されています
「MP5 SD2」

SD1の固定ストックモデル
「MP5 SD3」

SD1のリトラクタブルストックモデルで、ここまでが「SEF」トリガーグループになります
「MP5 SD4」

「バースト」が追加された新型ロアフレームを装備した「MP5 A4」を基にモデルチェンジしたSD1
その為かSD1と同じく「エンドプレート/レシーバキャップ」が装備されています
「MP5 SD5」

SD2のモデルチェンジ
SD4の固定ストックモデルです
「MP5 SD6」

SD3のモデルチェンジ
SD5のリトラクラブルストックモデルです
「MP5 SD-N1」
Nは「NAVY」(海軍)の頭文字で、1986年以降にアメリカ海軍の特殊部隊である「SEALs」の発注により生産されました
2010年NAVY SEALsの本拠地があるサンディエゴにて撮られたと言われる写真より


3バースト機能を廃止したSD6の海軍モデルの固定ストックバージョン
ナイツアーマメント社製の「ステンレス製サプレッサー」を装備し、コッキングハンドルも僅かに大型化されています。

ステンレス剥き出しのシルバーカラーサプレッサーの使用も確認出来き、先端の形状も通常のSDサプレッサーより丸みを帯びているのが特徴的です。
SD-N専用付属品サプレッサー(1005-LL-L99-5747)

「MP5 SD-N2」 NSN 1005-01-144-6835
同じくNAVY SEALsの本拠地があるサンディエゴにて撮られたと言われる写真より


SDN-1のリトラクタブルストックモデルです
1990年代のSD-N2とSEALs


マルチカムのJPCが一緒に写っているので2011年以降の写真だと思われます

因みにJPCの胸に付いているのはSPITFIREのビッグヘッドパッチですね
「トリガーグループ一覧」

・「SEF」 3ポジション = セーフティ・セミオート・フルオート (セレクターが左サイドのみ)
・「SF」 2 ポジション = セーフティ・セミオート (アンビセレクター)
・「Navy」 4ポジション = セーフティ・セミオート・2or3ラウンドバースト・フルオート (アンビセレクター)
・「Navy」 3ポジション = セーフティ・セミオート・フルオート (アンビセレクター) ※SEALsのMP5 SD-Nはこちらを採用
※「SF」とはSingleFireの略でSEFトリガーグループと同じモデルですが、セレクターに「F」の位置が無く、このタイプのモデルは「シングルファイアートリガーグループ」もしくは「FBIトリガーグループ」と呼ばれます
フルオートの装備を認められない法的執行機関向けに開発されたモデルで、民間向けとしても少数が販売されましたが、現在では自動火器全般の規制が厳しくなった為、民間向けの輸出や販売は「HK94」のみとされています。
「サバゲーでの運用」
信頼と実績の東京マルイ製品より
「MP5 SD5」

「MP5 SD6」

どちらのストックも使用が見られますのでお好みでどうぞ
前回のMP5と同じく信頼のマルイ製品ですので箱出しでも高いポテンシャルですが、マルイの「MP5」シリーズは実銃と違い殆どプラスチックで形成されている為リアル差に欠けます
ですがサバイバルゲーム自体には軽い為有利に働く利点だと思います
ただやはりプラスチックと言う事もあり強度が無く、私は昔サバゲー中に転んでMP5を真っ二つに折った事が(略)
CYMA製 MP5 SD


最近のロットではゴムパッドになったリトラクタブルストックになっているみたいですね?
MP5Nの後期型もこのストックになっていたのでOKだと思います
マルイ製と違い金属フレームを採用している事から、少しリアルではあります
ただ中華エアガンはスプリングによる初速が高い為、販売店それぞれのスプリングカットなどデチューンが成されていると思います
しかも中華エアガンには精度にバラつきもあり、当たり外れも存在してる為「自分で弄れる」 or 「ショップに任せる」人向けです
VFC製 MP5SD

値段が高いですが、リアル差ではMP5の決定版とも言えますかね?
ただVFC製のSDシリーズはガスブローバックモデルしか発売していません
(H27 5/6追記)
・VFC製のSD購入しました→ 「リンク先へ」
前編 中編 後編と続きましたMP5シリーズですが・・・・
御免なさい
次回「MP5編」 EX に続きます・・・
今日はここまで
・次回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑪ 「MP5」編 (EX)」へ
・前回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑨ 「MP5」編 (中編)」へ
「おまけ画像」


※MP5自体は1965年頃に開発

SDとはドイツ語で「Shalldämpfer」シャル・ダンファー(デンプファー) = 消音器を意味します
SDの最大の特徴である大型のサプレッサーは、内蔵された「バッフル」や「ワイプ」で区切られた多数の空気室により、発砲時に発生する高圧のガスを空気室内に拡散させ、徐々に圧力を下げてから外部に放出する事で銃口から放出される火薬の燃焼ガスの破裂音を低減します

「年代で変化するサプレッサーの内部構造」
「ワイプ構造」

ワイプは弾丸が通過する事による磨耗が高い為、使用回数が約30~50発程度で命中精度も大幅に悪化します。
ワイプが消耗するまでの数発はワイプによって空気室がほぼ密閉されているので消音効果が高いそうですが、アメリカでサプレッサーを修理する場合は「BATFE」の許可が必要であり、ワイプ式サプレッサーの修理には許可申請後より半年以上もかかる事が多いそうで民間用のワイプ式は殆ど使用されなくなったそうです。
・BATFE = Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives (アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)
「バッフル構造」
1971年にH&K社が特許を取得した初期型MP5SDサプレッサーの断面図


バッフルの穴が弾丸の直径に近ければ近いほど消音効果が高まる為、銃口との接続部とバッフルに高い工作精度が必要となります。
もし発射時に弾丸がサプレッサー内部と接触した場合は「バッフルストライク」の原因となり、サプレッサーが破損して弾丸が予期しない方向に飛ぶほか、フルオート射撃時だった場合ではサプレッサーが破裂して射手が重傷を負う場合があります。
又、サプレッサーは熱を持つと消音効果に影響が出るため、水や専用の冷却材を入れ消音効果を高める仕様の物があり、SDシリーズのサプレッサーも内部に水を入れる事が出来る設計となっています。(実銃の話です)
「参考動画」
音速以上で9mmx19弾が飛ぶと衝撃波によって音が発生する為、サプレッサーを使用した場合は音速を下回る亜音速弾で飛びます
・超音速 = スーパーソニック (supersonic speed) 約マッハ数1.3~5.0
・亜音速 = サブソニック (subsonic speed) 約マッハ0.3
発射音やマズルフラッシュ軽減効果が高い為15メートル離れると殆どボルト音しか聞こえないらしいですが、MP5に採用されているローラーロッキングシステムは減音効果を高めるものの、複雑な構造が仇となりサプレッサーよって溜まる発砲ガスの汚れがそのまま故障する起因にもなっているそうです。
他、40年以上前の設計に大きな変化が無く、最近ではワンタッチで外せるサプレッサーが普及し、ネジ式レベルでの固定も可能な為
当時のサプレッサー一体型による性能付加の無意味差が指摘されており、弾丸を減速するSDモデルは命中精度の低下も著しいとの声が多く上がっているとの事
「MP5 SDシリーズ」
「MP5 SD プロトタイプ」

「MP5 SD1」

MP5A1のSDモデル
MP5Kの様にストックの代わりに「エンドプレート/レシーバキャップ」が装備されています
「MP5 SD2」

SD1の固定ストックモデル
「MP5 SD3」

SD1のリトラクタブルストックモデルで、ここまでが「SEF」トリガーグループになります
「MP5 SD4」
「バースト」が追加された新型ロアフレームを装備した「MP5 A4」を基にモデルチェンジしたSD1
その為かSD1と同じく「エンドプレート/レシーバキャップ」が装備されています
「MP5 SD5」

SD2のモデルチェンジ
SD4の固定ストックモデルです
「MP5 SD6」

SD3のモデルチェンジ
SD5のリトラクラブルストックモデルです
「MP5 SD-N1」
Nは「NAVY」(海軍)の頭文字で、1986年以降にアメリカ海軍の特殊部隊である「SEALs」の発注により生産されました
2010年NAVY SEALsの本拠地があるサンディエゴにて撮られたと言われる写真より


3バースト機能を廃止したSD6の海軍モデルの固定ストックバージョン
ナイツアーマメント社製の「ステンレス製サプレッサー」を装備し、コッキングハンドルも僅かに大型化されています。

ステンレス剥き出しのシルバーカラーサプレッサーの使用も確認出来き、先端の形状も通常のSDサプレッサーより丸みを帯びているのが特徴的です。
SD-N専用付属品サプレッサー(1005-LL-L99-5747)

「MP5 SD-N2」 NSN 1005-01-144-6835
同じくNAVY SEALsの本拠地があるサンディエゴにて撮られたと言われる写真より


SDN-1のリトラクタブルストックモデルです
1990年代のSD-N2とSEALs


マルチカムのJPCが一緒に写っているので2011年以降の写真だと思われます

因みにJPCの胸に付いているのはSPITFIREのビッグヘッドパッチですね
「トリガーグループ一覧」

・「SEF」 3ポジション = セーフティ・セミオート・フルオート (セレクターが左サイドのみ)
・「SF」 2 ポジション = セーフティ・セミオート (アンビセレクター)
・「Navy」 4ポジション = セーフティ・セミオート・2or3ラウンドバースト・フルオート (アンビセレクター)
・「Navy」 3ポジション = セーフティ・セミオート・フルオート (アンビセレクター) ※SEALsのMP5 SD-Nはこちらを採用
※「SF」とはSingleFireの略でSEFトリガーグループと同じモデルですが、セレクターに「F」の位置が無く、このタイプのモデルは「シングルファイアートリガーグループ」もしくは「FBIトリガーグループ」と呼ばれます
フルオートの装備を認められない法的執行機関向けに開発されたモデルで、民間向けとしても少数が販売されましたが、現在では自動火器全般の規制が厳しくなった為、民間向けの輸出や販売は「HK94」のみとされています。
「サバゲーでの運用」
信頼と実績の東京マルイ製品より
「MP5 SD5」

「MP5 SD6」

どちらのストックも使用が見られますのでお好みでどうぞ
前回のMP5と同じく信頼のマルイ製品ですので箱出しでも高いポテンシャルですが、マルイの「MP5」シリーズは実銃と違い殆どプラスチックで形成されている為リアル差に欠けます
ですがサバイバルゲーム自体には軽い為有利に働く利点だと思います
ただやはりプラスチックと言う事もあり強度が無く、私は昔サバゲー中に転んでMP5を真っ二つに折った事が(略)
CYMA製 MP5 SD


最近のロットではゴムパッドになったリトラクタブルストックになっているみたいですね?
MP5Nの後期型もこのストックになっていたのでOKだと思います
マルイ製と違い金属フレームを採用している事から、少しリアルではあります
ただ中華エアガンはスプリングによる初速が高い為、販売店それぞれのスプリングカットなどデチューンが成されていると思います
しかも中華エアガンには精度にバラつきもあり、当たり外れも存在してる為「自分で弄れる」 or 「ショップに任せる」人向けです
VFC製 MP5SD

値段が高いですが、リアル差ではMP5の決定版とも言えますかね?
ただVFC製のSDシリーズはガスブローバックモデルしか発売していません
(H27 5/6追記)
・VFC製のSD購入しました→ 「リンク先へ」
前編 中編 後編と続きましたMP5シリーズですが・・・・
御免なさい
次回「MP5編」 EX に続きます・・・
今日はここまで
・次回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑪ 「MP5」編 (EX)」へ
・前回「Navy SEALs 使用武器の考察 ⑨ 「MP5」編 (中編)」へ
「おまけ画像」


Posted by ロマン at 01:59
│■Navy SEALs (ネイビーシールズ)│銃器