2014年07月04日
アメリカ軍ベストとMOLLEについての考察
皆様こんにちは
今回はアメリカ軍のベストとMOLLEについて考察してみたいと思います。
・前回「米軍正式採用ヘルメットについての考察」へ
☆アメリカ合衆国軍(ブログの指針説明へ)☆←読んで下さると嬉しいです。

今回はアメリカ軍のベストとMOLLEについて考察してみたいと思います。
・前回「米軍正式採用ヘルメットについての考察」へ
☆アメリカ合衆国軍(ブログの指針説明へ)☆←読んで下さると嬉しいです。

ポーチを兵士一人ひとりが携帯・運搬する事を「個人遂行装備」と言い、戦争や時代の流れによって様々な物が開発されました。
アメリカ軍がベトナム戦争での経験を活かし開発したのが「ALICE」ベルト・キットで1974年から採用
・ALICE = All-Purpose Lightweight Individual Carrying Equipment

ベルトにポーチをつけて、サスペンダーで吊るすと言った簡易的な装備です。
1980年代になりますと「装備をベルトにつける」と言った概念を無くした「IIFS」が開発されました。
・IIFS = Integrated Individual Fighting System


サスペンダー形式こそ残るものの、前面をパネル形式とした「ロード・ベアリング・ベスト」は体に装備がフィットされ、素材にコーデュラ・ナイロンを採用し軽量化されポーチを胸の部分に装着する方式とする事で、伏せた時や匍匐(ほふく)時のマガジンチェンジが容易となり動きやすさも改善されました。
・「コーデュラについて」へ
1990年代になると装備の革命とも言える「MOLLE」システムが開発されました。
・MOLLE = MOdular Lightweight Load-carrying Equipment
「FLCベスト」
・FLC = Fighting Load Carrier

形状や素材は「IIFS」と変わりませんが「MOLLE」システムにより、作戦によって装備を変更する事が容易となりました。
「MOLLE」と言うのは装備全体を含めたシステムの呼び方で、ナイロン製のウェビングが縫い付けられたプラットフォーム自体は「PALS」と呼びます。

「MOLLE」システムが本格的に導入されたのは1997年になってからでしたが、初期のMOLLEはラックサックの樹脂パーツ(画像赤丸部分)の破損が目立つことなどから、2012年から改良型の「MOLLEⅡ」に移行しています。

「MOLLEⅠ」

「MOLLEⅡ」

ウエスト・ベルト部分が「FLCベスト」と一体化し、ラックサックの装着部も廃止
タクティカル・ベスト自体は装備品の遂行を目的として使用され続けていますが、あくまで「遂行」だけであり防御力は皆無です。
主軸は防弾アーマーとし、ベスト自体はアーマーの上から装備し作戦に合わせた装備品収納として使用します。

昔のアーマーは重すぎて森林での戦いに不利だった為装着しなかったりもしました。
現代では戦場も変わり「防弾アーマー」による命の保護も義務化されている為、特殊部隊以外は殆どアーマー必須です。
アメリカ軍が2005年に「UCP」を導入すると「FLCベスト」も迷彩化

UCPになってからのFLCベストには少し特例がありまして、陸軍にOTVが採用された際に前開きの使用から重たいポーチを付け過ぎると前が開いてしまうという事例が多発したためにFLCが配給されたようです

・「OTVへの記事へ」
1990年代「MOLLE」開発と同時期にアメリカ軍は「インターセプターボディアーマー」も開発し、「MOLLE」システムを導入しますが、そちらは「ボディーアーマー」の考査にてお話させていただきたいと思います。

今日はここまで
・次回「米軍ボディーアーマーについての考察 ①」へ
・前回「米軍正式採用ヘルメットについての考察」へ
アメリカ軍がベトナム戦争での経験を活かし開発したのが「ALICE」ベルト・キットで1974年から採用
・ALICE = All-Purpose Lightweight Individual Carrying Equipment

ベルトにポーチをつけて、サスペンダーで吊るすと言った簡易的な装備です。
1980年代になりますと「装備をベルトにつける」と言った概念を無くした「IIFS」が開発されました。
・IIFS = Integrated Individual Fighting System


サスペンダー形式こそ残るものの、前面をパネル形式とした「ロード・ベアリング・ベスト」は体に装備がフィットされ、素材にコーデュラ・ナイロンを採用し軽量化されポーチを胸の部分に装着する方式とする事で、伏せた時や匍匐(ほふく)時のマガジンチェンジが容易となり動きやすさも改善されました。
・「コーデュラについて」へ
1990年代になると装備の革命とも言える「MOLLE」システムが開発されました。
・MOLLE = MOdular Lightweight Load-carrying Equipment
「FLCベスト」
・FLC = Fighting Load Carrier

形状や素材は「IIFS」と変わりませんが「MOLLE」システムにより、作戦によって装備を変更する事が容易となりました。
「MOLLE」と言うのは装備全体を含めたシステムの呼び方で、ナイロン製のウェビングが縫い付けられたプラットフォーム自体は「PALS」と呼びます。

「MOLLE」システムが本格的に導入されたのは1997年になってからでしたが、初期のMOLLEはラックサックの樹脂パーツ(画像赤丸部分)の破損が目立つことなどから、2012年から改良型の「MOLLEⅡ」に移行しています。

「MOLLEⅠ」

「MOLLEⅡ」

ウエスト・ベルト部分が「FLCベスト」と一体化し、ラックサックの装着部も廃止
タクティカル・ベスト自体は装備品の遂行を目的として使用され続けていますが、あくまで「遂行」だけであり防御力は皆無です。
主軸は防弾アーマーとし、ベスト自体はアーマーの上から装備し作戦に合わせた装備品収納として使用します。

昔のアーマーは重すぎて森林での戦いに不利だった為装着しなかったりもしました。
現代では戦場も変わり「防弾アーマー」による命の保護も義務化されている為、特殊部隊以外は殆どアーマー必須です。
アメリカ軍が2005年に「UCP」を導入すると「FLCベスト」も迷彩化

UCPになってからのFLCベストには少し特例がありまして、陸軍にOTVが採用された際に前開きの使用から重たいポーチを付け過ぎると前が開いてしまうという事例が多発したためにFLCが配給されたようです

・「OTVへの記事へ」
1990年代「MOLLE」開発と同時期にアメリカ軍は「インターセプターボディアーマー」も開発し、「MOLLE」システムを導入しますが、そちらは「ボディーアーマー」の考査にてお話させていただきたいと思います。

今日はここまで
・次回「米軍ボディーアーマーについての考察 ①」へ
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