2014年07月03日
米軍正式採用ヘルメットについての考察
軍やサバゲーにおけるヘルメット使用の考察←宜しかったらご覧下さい
第二次世界大戦中の1941年から1970年までアメリカ軍で採用され続けた「M1」ヘルメット、1966年~1967年のベトナム戦争中に再生産もされています。

他「M1C」(空挺モデル)や1950年からは一応改良版の「M2」なども生産されています。
大まかな素材はシェルがスチール製でヘルメットライナーはプラスチック製でした。
※現用への布石説明なので色々と割愛
1970年代になるとケブラー繊維が誕生し、ヘルメットの新素材として注目され始めます。
ケブラー(Kevlar)=芳香族ポリアミド系樹脂の登録商標で、1965年に開発されるとデュポン社によって1970年代に商業的に使用され始められました。
正式名称は「Poly-paraphenylene terephthalamide」 (ポリパラフェニレン テレフタルアミド)

特徴的なのは分子の構造が剛直・直鎖状の骨格を持っており、高い強度と高い熱性があります。
例として挙げられていたのが「同じ重さの鋼鉄と比べてケブラーは5倍の強度を持つ」との事です
そしてケブラー素材を使用して開発されたのが「PASGT」ヘルメットになります。
PASGT=(Personnel Armor System for Ground Troops)パスゲット

従来の金属製ヘルメットとは違いケブラー繊維で出来ているため、軽量で被り心地も良く防御力も良かった為、アメリカ軍は1980年代に「M1」に替わり「PASGT」を採用する事となりました。
この頃よりヘルメットの「防弾」や「爆風の衝撃吸収」「破片の貫通阻止」と言った性能が飛躍し始めます。
2000年代になると兵士一人ひとりに「無線機」や「ヘッドセット」と言った装備が普及し始めます。
その為ヘッドセットとヘルメットが干渉せずに使用出来る様ヘルメットの耳周りを大きくカットして、アメリカ陸軍特殊作戦コマンド用に開発されたのが「MICH」ヘルメットになります。
MICH=modular integrated communications helmet


アメリカ陸軍は古くなったPASGTヘルメットに替わり、上記の「MICH」やこの「MICH」を原型として素材を改良した「ACH」を採用します。
ACH=(Advanced Combat Helmet)
アメリカ陸軍以外にもアメリカ空軍が採用
「ACHヘルメット」


ヘルメットカバーを掛けるのが基本形態となります。
「ACH」ヘルメットからインナーパットによる「衝撃吸収力」や「装着感」が向上しています。
過去の「PASGTハンモック式インナー」

NIJ規格「レベルII」の防護性能で、9mmパラベラム弾や357マグナム弾などの弾が防げます。
「ACHヘルメットのクッションパッド式インナー」

クッションパッド式となり、パッドを外したり組み替える事により調整も可能
防弾性能も向上して「レベルⅢA」となっており大体44マグナムを防げるレベルです
しかしヘッドセットや快適性向上からヘルメットの形状を変更した事により、後頭部や頚椎(けいつい)を負傷する兵士が増えてしまったそうです。
その為最近ではそういった部分を保護する為の追加アーマーの研究が行われています。

アメリカ海兵隊とアメリカ海軍では「LWH」ヘルメットを採用しています。
LWH=(Lightweight Helmet)
「PASGT」ヘルメットの素材を変更し軽量化を行なった物で、2003年から「PASGT」に替わり海軍と海兵隊に採用されています。
「LWHヘルメット」


「PASGT」の形状そのまんまですね
初期型は「クラウン・パット」方式でしたが、現在は「パッド」式に変更されています。
初期型LWHのクラウン・パット

さらに2011年以降からはアメリカ海兵隊が研究した「ECH」ヘルメットへと変更が行われています
ECH=Enhanced Combat Helmet

「ACH」と似ていますがシェルの厚みが増して、クッションパッドやチンストラップが4点式になり、迷彩カバーも今までの物がそのまま使用できるそうです。
シェルの素材にケブラーではなく超高分子量ポリエチレンを採用したことにより、軽量化と防護能力の向上に成功したとの事、今までのヘルメットは拳銃レベルの弾や砲弾・爆弾の破片に対しては有効でしたが、貫通力の高い銃弾に対してはほぼ無力でした。
「ECH」は小銃弾を阻止することができるらしいです。

お値段はACHの約2倍で計画では、陸軍が20万個、海兵隊が3万8500個、海軍が6700個の購入を予定しているとの事(ウィキペディアより)
「サバゲーでの運用」
「ACH」や「LWH」で検索すればレプリカに当たりますが、個人的に懸念しているのがクオリティです。


インナーパットやチンストラップは使用出来るとは思いますが、おそらく低クオリティだと思います。
ヘルメット自体はカバーを掛ければ隠せるので、特に問題は無いと思います。
私が昔購入した時は素材が悪すぎて、付け心地が悪かった思い出があります。
あれ以来購入していないのですが今はどうなんでしょうね?
最新の「ECH」ヘルメットですが、シェルをカバーで隠すので「ACH」でも大丈夫な気がします。

陸軍や海兵隊用のヘルメットカバーも用意しましょう

注意点としては、入手のし易さから「OPS-CORE」に手を出してしまう事ですかね?

アメリカ陸軍や海兵隊が使用するのは上記で述べた様に「ACH」や「LWH」「ECH」と言ったヘルメットです
一般歩兵の魅力は、特殊部隊とはまた違った装備を使用する事に「ロマン」があると思いますw
今日はここまで
・次回「アメリカ軍ベストとMOLLEについての考察」へ
・前回「米軍コンバットシャツについての考察」へ

第二次世界大戦中の1941年から1970年までアメリカ軍で採用され続けた「M1」ヘルメット、1966年~1967年のベトナム戦争中に再生産もされています。

他「M1C」(空挺モデル)や1950年からは一応改良版の「M2」なども生産されています。
大まかな素材はシェルがスチール製でヘルメットライナーはプラスチック製でした。
※現用への布石説明なので色々と割愛
1970年代になるとケブラー繊維が誕生し、ヘルメットの新素材として注目され始めます。
ケブラー(Kevlar)=芳香族ポリアミド系樹脂の登録商標で、1965年に開発されるとデュポン社によって1970年代に商業的に使用され始められました。
正式名称は「Poly-paraphenylene terephthalamide」 (ポリパラフェニレン テレフタルアミド)

特徴的なのは分子の構造が剛直・直鎖状の骨格を持っており、高い強度と高い熱性があります。
例として挙げられていたのが「同じ重さの鋼鉄と比べてケブラーは5倍の強度を持つ」との事です
そしてケブラー素材を使用して開発されたのが「PASGT」ヘルメットになります。
PASGT=(Personnel Armor System for Ground Troops)パスゲット

従来の金属製ヘルメットとは違いケブラー繊維で出来ているため、軽量で被り心地も良く防御力も良かった為、アメリカ軍は1980年代に「M1」に替わり「PASGT」を採用する事となりました。
この頃よりヘルメットの「防弾」や「爆風の衝撃吸収」「破片の貫通阻止」と言った性能が飛躍し始めます。
2000年代になると兵士一人ひとりに「無線機」や「ヘッドセット」と言った装備が普及し始めます。
その為ヘッドセットとヘルメットが干渉せずに使用出来る様ヘルメットの耳周りを大きくカットして、アメリカ陸軍特殊作戦コマンド用に開発されたのが「MICH」ヘルメットになります。
MICH=modular integrated communications helmet


アメリカ陸軍は古くなったPASGTヘルメットに替わり、上記の「MICH」やこの「MICH」を原型として素材を改良した「ACH」を採用します。
ACH=(Advanced Combat Helmet)
アメリカ陸軍以外にもアメリカ空軍が採用
「ACHヘルメット」


ヘルメットカバーを掛けるのが基本形態となります。
「ACH」ヘルメットからインナーパットによる「衝撃吸収力」や「装着感」が向上しています。
過去の「PASGTハンモック式インナー」

NIJ規格「レベルII」の防護性能で、9mmパラベラム弾や357マグナム弾などの弾が防げます。
「ACHヘルメットのクッションパッド式インナー」

クッションパッド式となり、パッドを外したり組み替える事により調整も可能
防弾性能も向上して「レベルⅢA」となっており大体44マグナムを防げるレベルです
しかしヘッドセットや快適性向上からヘルメットの形状を変更した事により、後頭部や頚椎(けいつい)を負傷する兵士が増えてしまったそうです。
その為最近ではそういった部分を保護する為の追加アーマーの研究が行われています。

アメリカ海兵隊とアメリカ海軍では「LWH」ヘルメットを採用しています。
LWH=(Lightweight Helmet)
「PASGT」ヘルメットの素材を変更し軽量化を行なった物で、2003年から「PASGT」に替わり海軍と海兵隊に採用されています。
「LWHヘルメット」


「PASGT」の形状そのまんまですね
初期型は「クラウン・パット」方式でしたが、現在は「パッド」式に変更されています。
初期型LWHのクラウン・パット

さらに2011年以降からはアメリカ海兵隊が研究した「ECH」ヘルメットへと変更が行われています
ECH=Enhanced Combat Helmet

「ACH」と似ていますがシェルの厚みが増して、クッションパッドやチンストラップが4点式になり、迷彩カバーも今までの物がそのまま使用できるそうです。
シェルの素材にケブラーではなく超高分子量ポリエチレンを採用したことにより、軽量化と防護能力の向上に成功したとの事、今までのヘルメットは拳銃レベルの弾や砲弾・爆弾の破片に対しては有効でしたが、貫通力の高い銃弾に対してはほぼ無力でした。
「ECH」は小銃弾を阻止することができるらしいです。

お値段はACHの約2倍で計画では、陸軍が20万個、海兵隊が3万8500個、海軍が6700個の購入を予定しているとの事(ウィキペディアより)
「サバゲーでの運用」
「ACH」や「LWH」で検索すればレプリカに当たりますが、個人的に懸念しているのがクオリティです。


インナーパットやチンストラップは使用出来るとは思いますが、おそらく低クオリティだと思います。
ヘルメット自体はカバーを掛ければ隠せるので、特に問題は無いと思います。
私が昔購入した時は素材が悪すぎて、付け心地が悪かった思い出があります。
あれ以来購入していないのですが今はどうなんでしょうね?
最新の「ECH」ヘルメットですが、シェルをカバーで隠すので「ACH」でも大丈夫な気がします。

陸軍や海兵隊用のヘルメットカバーも用意しましょう

注意点としては、入手のし易さから「OPS-CORE」に手を出してしまう事ですかね?
アメリカ陸軍や海兵隊が使用するのは上記で述べた様に「ACH」や「LWH」「ECH」と言ったヘルメットです
一般歩兵の魅力は、特殊部隊とはまた違った装備を使用する事に「ロマン」があると思いますw
今日はここまで
・次回「アメリカ軍ベストとMOLLEについての考察」へ
・前回「米軍コンバットシャツについての考察」へ

Posted by ロマン at 00:07
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